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「やったら、悩みの質が変わる。」シリコンバレーで泣き、“自分なんて”と思っていた北海道の大学生が、今ルワンダで働いている理由

  • 17 時間前
  • 読了時間: 9分

「2年前の自分が、今の自分を見たら、絶対信じないと思います。」

そう笑いながら話してくれたのは、Ezofrogs卒業生(第3期)の三寺 綸(みてら りん)さん。


現在、彼女はアフリカ・ルワンダのアートセンターでインターンとして働いている。

カフェ、ゲストハウス、アーティスト支援、SNS運営、採用、人事、運営補助——。


「自分の仕事は何ですか?って聞かれても答えられないぐらい、何でもやってます。」


そう語る彼女だが、数年前までは、北海道で暮らす“普通の大学生”だった。


語学力なし。

海外経験なし。

「アフリカで働きたい」という夢すらなかった。


それでも今、彼女はルワンダで暮らしている。

なぜ、ここまで来たのか。

そして、アフリカで何を感じているのか。

今回、現地でのリアルな生活や葛藤、そして彼女自身の変化について、率直に話を聞いた。


「普通に生きていたら、こうはなっていなかった」


「そもそも、自分がアフリカにいること自体、まだ信じられないです。」

インタビューの冒頭、彼女はそう話した。



北海道で暮らし、大学に通い、日常を過ごしていた数年前。

その頃の彼女が、“ルワンダで働く未来”を想像できていたかと聞くと、即答だった。


「できるわけないじゃないですか(笑)」


だが、その数年の間に、彼女の人生は大きく動いた。

Ezofrogsへの参加。沖縄での全国LEAPDAY登壇。シリコンバレーへの挑戦。トビタテ留学JAPANへの応募、採択。そして、ケニア・ルワンダでのインターン。


「大湊さんに遍歴を改めて言われて、自分ってこんなことしてきたんだ…って思いました。」

自分では“当たり前”になっていた。でも、2年前までの自分から見れば、到底想像できない場所まで来ていた。

ルワンダでの仕事は、“何でも屋”だった


現在、彼女が働く場所は、ルワンダのアートセンター。


しかし、実際の仕事は「アート」だけではない。

「カフェもゲストハウスもあって、それぞれ担当はいるんですけど、全部をつなぐ人がいなくて…なぜか全部私に来るんです。」

SNS運営。現地スタッフとの調整。アーティスト対応。採用面談。運営管理。ゲスト対応。

「今日とか、シェフの採用してました。」


笑いながら話す彼女に対し、「もう社長みたいじゃん」と返すと、「本当に、自分は何なんだろうって思います。」と苦笑いした。

しかも、これは最初に聞いていた話とは全く違ったという。

「インスタとか広報を頑張ってくれたら嬉しい、ぐらいで聞いてたんです。でも来てみたら、全然違いました。」


想像以上に大変。やることは山ほどある。しかも、答えがない。

それでも彼女は、現地で毎日向き合い続けている。


・・・


とはいえ、ルワンダ生活は、もちろん綺麗なことばかりではない。


「洗濯機がなくて(笑)」


ルワンダの多くの家庭では、洗濯機ではなくバケツを使った手洗いが一般的だ。 


最初は、「え、手洗いなの…?」とかなり衝撃だったという。


「ルワンダの同僚に教わってできるようになりました(笑)」


不思議なことに、人は慣れる。

海外に「行く」ことと、海外で「生活する」ことは、まったく別物だった。


シャワーも水が少ししか出なくて、大変らしい。
シャワーも水が少ししか出なくて、大変らしい。

「成長って、めちゃくちゃ地味だった」


アフリカでのインターン生活を通して、一番大きかった気づきは何か。

そう聞くと、彼女は少し考えてから、こんな言葉を返した。


「成長って、めちゃくちゃ地味なんだなって思いました。」


シリコンバレー。海外挑戦。アフリカ。

言葉だけ聞けば、華やかに見える。


でも実際は、

  • 買い物をしてみる 

  • 英語で一言話す 

  • 分からないを誤魔化さない 

  • 毎日少しずつ前に進む 

そんな積み重ねだったという。


「挑戦って、“これでいいのかな?”って思うぐらい地道でした。」


大きな飛躍。劇的な変化。人生を変える瞬間。

そういうものを期待していた部分もあった。


でも、現実は違った。

「毎日の積み重ねでしか、変われない。高いところにすぐ行けるわけじゃなく、そこに届くためには日々小さなことをやり続けていくしかないんだなって。」

この言葉には、実際に現場で挑戦してきた人間にしか出せない重みがあった。


少しずつ、一歩ずつ。
少しずつ、一歩ずつ。

「自分なんて」と思っていた


今回のインタビューで、特に印象的だった言葉がある。

「本当に、自分なんてって思ってました。」


彼女は、自分を“特別な人間”だとは思っていない。

「優秀でもないし、普通の人だと思うんです。」


でもそんな彼女の可能性を、周囲の大人たちは信じ続けた。

Ezofrogsの中で、「自分にはできない、難しい」と言った時に、「どうしてできないと思うの?」「どうしたらできると思う?」と問い返され続けた。


最初は苦しかった。でも、その環境があったからこそ、少しずつ自分を変えられたという。

「自分では信じてなかった可能性を、周りが信じてくれた。」

それは、彼女にとって大きかった。


アフリカで気づいた、“自分の偏見”


アフリカ生活は、自分の価値観を壊される経験でもあった。

例えば、アメリカ・サンフランシスコに行った時、トイレに向かう角で黒人の人とすれ違った瞬間、無意識に身構えていた自分がいた。


「今思えば、自分の中にも潜在的な偏見があったんだなって思います。」

でも、実際にアフリカで生活し、現地の人たちと毎日過ごす中で、その感覚は大きく変わった。



「黒人に囲まれて生活するのが当たり前になった。」

“世界”は、頭の中で理解するものではなく、実際に飛び込むことでしか見えない。

そんな感覚を、彼女は体感していた。


「日本に生まれてラッキーだね」


現地では、何度もそう言われた。

「日本人ってお金持ちなんでしょう?」「日本はすごい国なんでしょう?」


でも彼女は、その言葉に違和感も覚えたという。

日本にも苦しい人はいる。アフリカにも豊かな人はいる。

それでも、“外の世界への憧れ”を持つ人は多かった。


そして、その姿を見ながら、彼女は気づいた。

「北海道から東京とかシリコンバレーに憧れ、すごい場所だと思っていた自分と、少し似た感覚なのかもしれないって。」


世界を知ることで、初めて、自分たちの立ち位置も見えてくる。

英語ができなくても、話してよかった


彼女は、元々英語が得意だったわけではない。


「本当に普通でした。」


でも今は、現地で働き、英語で会話をしている。

もちろん、最初は怖かった。


シリコンバレーに渡航した時は、怖さから話しかけることに臆病になっていた。

挑戦の機会があったのに、掴みきれなくて、涙を流す日々を送っていた。

(シリコンバレー渡航の記事はこちら


伝わらない。聞き取れない。間違える。

でも今回、現地の人たちは何度もこう言ってくれた。

「君の英語は伝わってるから大丈夫。」「ゆっくりでもいいから話してみな。」

だから、少しずつ話せるようになった。


「分かったふりをしないことが大事だった。」


分からなければ聞く。間違えても話す。

その繰り返しだった。

「将来は、逆に分からなくなった」


面白かったのは、彼女が「夢が明確になった」とは言わなかったことだ。

むしろ逆だった。


「来てみて、余計わからなくなりました。」

以前は、「Ezofrogsで取り組んだ香りの事業をやりたい」「これを軸に生きたい」と思っていた。


香りの事業もアフリカに来てやってみた。うまくいかないことが多かった。

でも、気づいた。

「自分、どこでも、なんでも楽しめちゃうかもしれない。」

だからこそ、逆に悩んだ。

“これ”と決めた方が、応援されやすい。タグをつけた方が、分かりやすい。


でも今は、「一旦、今日のベストを積み重ねよう」そう思っているという。

この言葉は、まずは香りの事業もやってみたからこそ言える、彼女らしいとてもリアルな声だった。


将来が明確だから進める人もいる。でも、分からないまま進む人もいる。

彼女は今、後者として前に進んでいる。

環境が変わると、“できる人”になることがある


アフリカで働く中で、彼女は面白いことにも気づいた。

「これまで普通だと思っていたことが、ルワンダでは“できる人”になる。」


Excel。動画編集。予約管理。原価計算。


「普通」だと思っていたスキルが、現地では必要とされる。

「別に得意じゃないんです。やったことないけどやってみたこともあります(笑)。でも、知ってる人が少ないから、“できる人”になる。」


環境が変わるだけで、人の価値は変わる。

それは、北海道の学生たちにとっても大きなヒントかもしれない。

「本当に、自分はラッキーだった」


最後に、北海道の学生へ伝えたいことを聞いた。


彼女は少し考えてから、こう話した。

「本当に、自分はラッキーだったと思います。」


でも、その“ラッキー”は、偶然だけではない。


Ezofrogsに飛び込んだこと。挑戦してみたこと。怖くても動いたこと。

小さな行動の積み重ねが、今に繋がっている。


「自分なんて、って思ってる人はたくさんいると思うんです。」


でも、数年前の彼女も、そうだった。

それでも今、彼女はアフリカにいる。

「とりあえず、やってみる」の先に、世界がある


「もし迷っているなら、とりあえずやってみたらいいんじゃないかなって思います。」


三寺さんは、少し笑いながらそう話した。


「やる前って、“できるかな”とか、“失敗したらどうしよう”とか、すごく悩むんです。でも、実際にやってみると、悩みがなくなるわけじゃなくて、“次どう進めようか”っていう悩みに変わっていきます。そうなると元々悩んでいたことに対して、なんでこんなことで悩んでたんだろって思うんですよね(笑)その繰り返しです。」


やらないまま抱える不安と、やってから向き合う悩みは、少し違う。


「怖いのって、最初だけなんですよね。」


もちろん、今でも不安はある。迷うこともある。

それでも、一度踏み出してしまえば、悩みながらでも、人は前に進んでいける。


ルワンダでの日々が、それを少しずつ教えてくれている。


【編集後記】北海道からでも、世界の“深部”に触れることはできる


挑戦したい。でも怖い。

変わりたい。でも自信がない。

そんな人は、きっと多い。

Ezofrogsは、“すごい人”だけを探しているわけではない。

むしろ、

  • 少し気になる 

  • モヤモヤしている 

  • 今のままでいいのか悩んでいる 

  • 世界を見てみたい 

そんな思いを持つ人も待っている。

数年前、“普通の大学生”だった彼女が、今ルワンダで働いているように。

ちょっとした勢いでやってみた先には、想像もしなかった世界が待っているのかもしれない。


北海道にいると、

「どうせ地方だから」「海外なんて遠い」「自分には関係ない」

そう感じてしまう瞬間がある。


でも、三寺さんの数年間は、その感覚を大きく覆している。


率直に、第3期Ezofrogs体験説明会に来た時の彼女は、いわゆる普通だった。

誤解を恐れずいうと、大きく印象に残ったわけではない。

そんな、北海道で育った一人の学生が、Ezofrogsに参加した。

( プログラム卒業時のインタビューはこちら


シリコンバレーに行き、ケニアに渡り、そして今、ルワンダで現地の人々と働いている。

しかもそれは、“海外経験”を増やすためではない。

現地で悩み、失敗し、葛藤しながら、「世界の中で生きる」ということを、身体感覚で学んでいる。

1ヶ月ほど前、ケニアで現地で会った彼女には、出会った頃が信じられないほど、何より逞しさを感じた。

2026年3月ケニアにて
2026年3月ケニアにて

Ezofrogsが目指しているのは、単なる“海外研修”ではない。

北海道からでも、世界の最前線や深部に潜り込み、自分自身の問いを持ちながら、リアルな社会と向き合える人、現状を打破して世界を変えていくイノベーターを育てることだ。


そして、その挑戦は、最初から特別な誰かだけのものではない。

数年前、「自分なんて」と思っていた一人の学生も、今、アフリカで生きて、確かなイノベーターへの道を歩んでいる。


次に世界へ飛び込むのは、あなたかもしれません。

(インタビュアー:Ezofrogs代表 大湊)

 
 
 

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